宗教のときめき

25. アンジェラ・アキの『手紙』
やすい ゆたか
 ふたりして生きていくのか何時の日も過去と未来のふたりのわたし


 アンジェラ・アキの「手紙」が今中学生の中でブームになっています。

 「合唱コンクール」の課題曲になっているのですが、そのことでNHKで特集番組がありました。自分に手紙を書き、それを読み上げるシーンがあるのですが、自分の書いた手紙なのに泣いてしまって声にならない生徒が多いのです。

 その手紙の中で中学生が「ふたりして生きていきましょう」と書いているのです。ひとりでふたりなのですね。

 アンジェラは中学生の頃、自分がハーフであるということで、いろいろ辛いことがあったのでしょう。とても孤独な思いをしていたようです。それで自分にいっぱい手紙を書いていたそうです。30歳になったアンジェラがその頃の自分に励ましの手紙を書くつもりでこの歌ができたそうです。

 これぞ青春ですね、哀しくて、切なくて、素直に感動しました。

「ああ 負けないで 泣かないで 消えてしまいそうなときは 自分の声を信じ歩けばいいの いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど 笑顔を見せて 今を生きていこう」

 結局、自分を信じて生きていくということ、これが人生であり、宗教の本質でもありますね。でも将来の自分に手紙を出し、過去の自分を励まして、今の自分を支えるしかないのでしょうか、そんなに孤独な時代なのでしょうか、現代は。ますます哀しくなりますね。

 私も実はへこんだりした時は過去の自分の書いた作品を読んで、自分の原点に戻り、そこからパワーをもらうことにしています。何度も過去の自分に助けられました。でもそれだけじゃだめですが。



http://www.youtube.com/watch?v=Mph1oYYJz4c
西宮市立甲陵中学校で歌うアンジェラ・アキが視聴できます。

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND69456/index.html
歌詞はこのサイトで読めます。このエッセイにとって歌詞の全文掲載は不可欠なのですが、著作権侵害という抗議があり、削除しました。