ノアの方舟は実在するか?
話が長くなりすぎたので節を変えますが、「ノアの大洪水」の記事は歴史的に起こった
『ギルガメシュ叙事詩』でノアに当たる人の名前はウトナピシュテムです。信心深くて
ノアはアララト山でまずカラスを放ちますが、戻ってきません。次に鳩を放ちますが、
大洪水で人類のほとんどが滅んでしまったという説話は、地球上至る所にあります。古代ギリシアにはアトランチス伝説があり、大陸の沈没が伝説されています。大西洋をアトランチック・オーシャンというのは、アトランチス大陸があった海という意味なのです。そして古代ギリシアでは人類のほとんどが絶滅する大洪水が循環的に起こって、歴史が繰り返すという運命論的な循環史観があります。
ギリシア神話では、神々の王ゼウスが人類の堕落から大地を清めるために大洪水を起こします。予知能力のある半神プロメテウスに教えられて予め用意した船で、パルナッソス山の頂に漂着したのがデウカリオンと妻のピュラーだけでした。デウカリオンは神から望みを聴かれ、人間の種族を増やしてくれるように望みました。すると神に「母の骨」を拾って背後に投げるように言われます。「母」は「大地」を意味すると悟ったデウカリオンが、石を拾って背後に投げますと、石は男になりました。妻のピュラーが投げると、今度は石が女になったのです。
大洪水でほとんどの人々が死んでしまうという惨事が、いろんな地方であってその時の伝承が語り伝えられているわけです。そして大洪水を神による審判と捉えていた敬虔な人で、ノアの家族のように方舟で救われた例もあったかもしれません。それにしても巨大な方舟ですね。長さは三百アンマー(百五十メートル)、幅は五十アンマー(二十五メートル)、高さは三十アンマー(十五メートル)です。これを八人家族だけで建造するのは大変だったでしょうね。ところで漢字で「船」は「舟」遍に「八口」です。八口は八人という意味ですから、この漢字の起源と「ノアの方舟」は関連があるという解釈があります。