正しい結婚のトーラー
トーラー(律法)の中には正しい結婚のトーラーがあります。神は正しい結婚をした者に、恵みを与えられるのです。その第一条件は血統の維持です。これは割礼や偶像崇拝禁止など特別な信仰を維持する為に必要だからです。次に当人間の愛情が大切です。複数の妻がある場合に、最愛の妻の子が最も神に恵まれるのです。それからいかに愛していても無理やり妻にしようとしては絶対いけません。互いの愛が大前提なのです。そういうトーラーが、「創世記」ではアブラハムの家族の歩みを通して、示されるのです。
第二三章では、サラが百二十七歳で亡くなります。そこでアブラハムがカナンの地に墓にする畑を買い取る話です。アブラハムの子孫は、この父祖の墓の地を自分たちの神から約束された土地として定住しようとするのです。
第二四章は、あととりイサクの嫁取り物語です。アブラハムはイサクの嫁をカナン人の中から選んではいけないと言うのです。その理由にはヘブル人の血統を薄めてはいけないということがあるのです。それにカナン人には自然神を崇拝し、偶像崇拝を行う風習が根強いから、その影響を受けることを恐れたのです。日本でも嫁ぎ先の宗教が違うと、嫁入りする人は改宗する場合が多いのですが、日本人は信仰心があまりないので、改宗に伴うトラブルは少ないようです。ユダヤ人の場合は、はげしく異教を否定しますから、相当の覚悟がなければユダヤ人の家庭に異邦人が嫁入りするのは難しいのです。
アブラハムはしもべの執事に、アブラハムのバビロニアの出身地に行って、親族の娘をイサクの嫁に選んで連れ帰ってくるように命じました。彼はナホルの町に行き、泉の側に立って神にこんな願いをかけます、だれか娘に向かって「どうか水瓶を傾けて、飲ませてください。」と頼むと、その娘が「どうぞお飲みください。らくだにも飲ませてあげましょう。」と言ったらその娘をイサクの嫁に選んでよいことにしてください、と祈ったのです。神はとても仕事が速いんです。すぐにアブラハムの弟のナホルの孫娘リベカが来て、その通りしたのです。できすぎですね。それで嫁に選んで、家族や本人の了解をとりつけて連れて帰り、無事イサクの妻にしたというお話です。
この嫁取りの話は、イサクは自分で選ばずに、執事に選ばしています。しかも執事は神に願をかけて選んでいるのです。神に選ばれ、信仰を共にするもの同士の祝福された結婚という形を示しているのです。統一協会の合同結婚式を連想してしまいますね。
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