大陸合理論とイギリス経験論
1スピノザの汎神論
永遠の相の下にて眺むれば塵芥すら神の現れ
先生:大陸合理論はデカルト(1598〜1650)の他に誰が挙げられますか?
花子:それは@( )(1632〜1677)とA(
)(1646〜1716)です。デカルトと合わせて三大哲学者です。
太郎:@( )の主著は『B(
)』(1675年完成)です。彼はC(
)を神とし,神の無限の様態として万物を合理的に演繹するD( )を展開しました。
花子:D( )て何ですか?万物が神だということですか。それなら自然神信仰ですね。
先生:そうなのです。神を必然的法則によってE( )を産出するF( )だと捉えたのです。つまり自然自身の生み出す働きが神だということです。ブルーノー的にG( )を説きますと,神の存在する場所が無くなる恐れがありますが,スピノザ的に宇宙自体がH( )だとすれば,この問題は解決します。しかしヘブライズム的な超越神論の放棄になりますね。そして自然は全くI( )に支配されたものだということです。
太郎:延長的実体のことばかりで、精神的実体の話はないのですか?
先生:これは失礼。延長と同様に精神もC( )である神の属性として演繹されますからJ(
)は平行しているのです。そこで人間精神は必然的な連関を「K(
)」認識することになり,神へのL( )が生じるとしたのです。この神へのL(
)が最高の善であり,最高の徳であると説きました。何故なら神への愛こそ,神の人間に対する愛が人間の中で最高に高まったものなのですから。
問@( )〜L(
)に当てはまる適当な語句を記述しなさい。
ライプニッツ 永遠の相の下に 所産的自然
宇宙の無限 機械的な必然的法則 エチカ 知的愛
能産的自然 スピノザ 神の属性
物心両面 汎神論 唯一実体
2ライプニッツのモナド論
窓はなく自己関心に閉じこもりコスモス映じて調和に生きるや
太郎:ライプニッツ(1646 〜1716)は,『@(
)論』で。神が創造されたのはアトムではなくて、
@( )であり,宇宙は無数の@( )によって構成されていると捉えました。
花子:@( )はアトムとどうちがうのですか?
先生:それはアトムと違って延長を持ちません。A( )です。それぞれのモナドはB(
)であって独立しており,C( )て影響し合うことはありません。つまり近代市民たちのように,D(
)に閉じ籠もっているのです。しかし互いを映し合い予定調和的に結合して,それぞれの視点からE(
)しているのです。スピノザが,近代の合理主義的思考である機械論的な必然論と見なされるのに対して,ライプニッツは近代市民社会のF(
)を反映していると評価されています。それでG( )や古典派経済学などのように,モナド的な個人の集合として社会を捉える観方を「H(
)」と呼ぶのです。
問@( )〜H(
)に当てはまる適当な語句を記述しなさい。
質的な形而上学的点 モナド 実体
窓がなく 絶対的な自己関心
全宇宙を表象
個人主義の論理 社会契約論
モナド社会論
3ロック・バークリー・ヒューム
観念が生まれし元は経験や事物は畢竟感覚の束
先生:イギリス経験論を確立したのは誰でしたか、太郎君。
太郎:「全ての観念は経験から」と『@(
)』で唱えたA( )(1632〜1704)です。
花子:彼は,デカルトが『神はB( )である。」としたのに対して幼児や東洋人の例から神観念の生得性を否定したのでしたね。
先生:そうです。彼は観念形成が感覚を比較吟味するC(
)の働きに依存する事を強調して,人間をできるだけ理性的に捉えようとしたのです。これは人間を欲望機械として捉えたD(
) (1588〜1679)に対抗する人間観です。
太郎:イギリス経験論もベーコンのE(
)で法則的な認識を確立しようとしたのですが、これはデカルト的なF( )に基づく合理的な法則性の認識とはずれがあるのですか。
先生:ロックの『全ての観念は経験から、生まれつきは白紙」という立場は、経験にすべてを還元しようとするG(
)を発達させます。この立場がデカルト的な主観・客観認識図式の固定化を批判する立場を生むのです。
花子:つまり客観的な実在としての事物が先ずあって、それが観念に投映されるのではなくて、人間のH(
)を整理することによって事物の観念が生まれたということですか。
先生:ええ、そういう方向にいくのです。ロックの「すべての観念は経験から」という言葉を突っ込んで考えますと、知覚に基づく経験なしに事物の観念も生じないということになりますね。そこでI(
)(1685〜1753)は、「J(
)である」と、K( )の立場に達したのです。つまり意識の外部に客観的な事物がまずあって、それが知覚されるのではないというのです。逆に知覚の内容を反省する事によって、客観的に事物が存在すると考えているだけだということです。
太郎:それでは客観的な実在としての事物がまずあって、それを知覚しているのではなくて、知覚の連鎖が事物や世界を構成しているのだということですか?
花子:とすれば、知覚や経験それ自体が存在だということですね。でもどうして様々な種類の知覚像が現れ、それが様々に変化するのか、その原因となるものが必要です。
先生:バークリーにすれば、その原因がL( )だということになるのです。
太郎:大陸合理論なら神は、数学的な理性を持っていて、機械的必然性で世界は動いているみたいに捉えていたのでしょう。でもイギリス経験論の場合は、経験や知覚の総括として法則性が帰納されるので、新しい未知の経験が加わったりすると不安になったでしょうね。
先生:それはいえるかもしれませんね。あらゆる観念は経験に依存することになりますので,客観的事物の法則性や存在は既成の経験からM(
)に帰結されたものに過ぎません。ひょっとしたら経験の仕方が突然変化するかもしれないのです。だから
「N(
)」とも言えるのです。このような徹底したO(
)を唱えたのは『P(
)』を著したQ(
)(1711〜76)
す。この発想はカントの批判哲学の成立に決定的な影響を与えたのです。
問@(
)〜Q( )に当てはまる適当な語句を記述しなさい。
唯心論 明日の朝太陽が東から昇るとは限らない。生得観念
ホッブズ
新しい帰納法
蓋然的
ヒューム
神 ロック 経験主義 経験
バークリー 人間悟性論
存在することは知覚されてあること
悟性
主観・客観認識図式
懐疑論
人性論